向かいのお兄さん
第50章 俺だけのもの
『お兄ちゃん、寒いの?』
「え?」
寒くないと言えば、嘘になる
今が冬なのかどうなのかわからないが、寒いことに変わりはない
「…寒いな」
『…』
パタパタと駆けて来たかと思うと、美咲は俺の胴体にしがみついた
「…///」
これしきのことで照れてしまう自分が恥ずかしい
『あったかい…?』
「…あんまり」
俺の返事に不満でも抱いたのか
美咲は頬を膨らませて
さらにギュウッと抱きついてきた
おいおい…欲情しちゃうじゃんよ…
『ねえ、あったかい?』
「…そうだなー…」
俺は地面に膝をつくと
美咲の身体を思い切り抱き寄せた
「これで、あったかい…///」
サラサラとした綺麗な髪…
俺の知ってる美咲より
手足はずいぶんと細い…