向かいのお兄さん
第50章 俺だけのもの
美咲はふるふると首を振った
そしてそのまま、だんまりになってしまった
俺は美咲の手を握り、内緒話でもするかのように
小さな耳に向かって囁く
「嫌になったら…嫌って言ってくれていいから…」
『…うん///』
とは言ったものの
一旦キスしてしまえば、美咲が何と言おうと、自分を止められる気がしなかった
と言うより、やめる気なんてさらさらないんだ
直也は美咲の頭に手を添えると、そっと唇に口づけた
『っ…!!///』
一瞬びくりと肩を震わせたものの、必死に我慢し、目を閉じる美咲
見ているのと触れるのとでは、こうも違うのか…
思っていた以上にコンパクトな唇に
ただ重ねているだけでもうっとりとしてしまう