向かいのお兄さん
第55章 あたしのお兄さん
「なぁなぁ、美咲?」
『なぁに?』
直也はにこっと笑った
「これぞ向かいのお兄さん?」
『はあー?』
自分を指差して
ケラケラと笑う
あたしもつられて笑いそうになったけれど
『ううん』
ちょっとだけ
言っておかないと
「あれ…違うの?」
『うん』
なぁんだ
と、少しいじける直也の身体に
あたしは身体を埋めた
『あたしのお兄さんだもん』
「あ、そっか」
冗談めかした言葉のやり取り
あたしの大好きな、時間のひとつ…
「もういっそ、美咲の直也でいいや」
『イヤイヤに聞こえんだけどー?
じゃああたしも、仕方ないから直也の美咲でいいよ』
「仕方ないからって何だよ」
『文句あんのー?』
「クスッ、ない」
『ふふっ///』
ねぇ、いいかな…?
いつまでもいつまでも
あたしの向かいのお兄さんでいて…?
直也…
大好き///
END゜+。:.゜.:。+゜