刑事とJK
第89章 次のステージへ
「aが1じゃ…合わない、b、c、d…iまでをこうすると…zがだんだん減っているから…」
「?」
何やら岩崎がぶつぶつと言い出した
吉川も飛鳥もちんぷんかんぷんだ
「あ、わかった」
「!!!??」
まだアルファベットが画面に出てきてから3分も経っていないというのに…
「よし」
岩崎はキーボードを打ちはじめた
しかし、何故かそのスピードは遅い
「…」
その表情は真剣そのものだ
「ああー、進まない…」
カタ カタ カタ
と、1つずつ押していく
「何か…手伝いましょうか?」
飛鳥は岩崎の顔を覗き込んだ
「俺らにできることがあったら言ってくださいよ?」
吉川も言った
岩崎は
「じゃあ…お願いしようかなぁ」
嬉しそうに笑った
岩崎は自分の座っていた席に飛鳥を、
その左隣に吉川を座らせた
「まず、吉川君にやって欲しいこと。
このアルファベットを数字に打ち直してほしいんだ」
「へ!!?」
「大丈夫、規則性は教えるから。で、飛鳥には…」
ここで思わず口を閉じた
ついつい癖で、"飛鳥"と呼び捨てにしてしまった
「?」
飛鳥は気にもせず、岩崎の次の言葉を待った
「飛鳥ちゃんは…
僕が言ったことをアルファベットで打っていってほしい」
「わかりました」
「二人とも、できる?」
岩崎の問いに、吉川と飛鳥は声を揃えて言った
「「デスクワークは専門なんで」」