刑事とJK
第91章 逃がしちゃったね
風呂を上がると、二人はソファーに座った
「河瀬の奴は、禁固数十年だと」
『…判決出たんだ…』
「ああ、他の奴らは、まだ決まりきってねぇみたいだけどな」
背もたれに腕を乗せ、フゥッと息を吐いた
あの事件のあと、人質やその他生存者の救助が行われた
犯罪に関係した人間はみんな身柄を拘束され…
その時の指揮は長谷川がとった
『そう言えば…南さんはどうなったの?』
「ああ…少し落ち着いてきたみたいだ」
事件後、刑事課の医療室で健康診断をしてもらってる時だった―――――――
「斉藤!!」
「あ?」
振り返ると、いきなり南に胸倉を掴まれた
「…どうした?」
「どうしたもこうしたもない!!
何で小泉と一緒にいた…!?」
歯が折れてしまうんじゃないかってくらい、強く歯を噛んでいる
「…何でもいいだろうが」
こっちだって思い出したくねぇんだ…
「良いわけあるか!!!」
バキィッと殴られた
棚にぶつかり、薬品が散乱する
「っ…やったなコラ!!!」
ここからはもう大喧嘩
津森にこっぴどく叱られ、二人とも喧嘩はやめたが
南の機嫌は最悪なものだった