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刑事とJK

第97章 根城の裏で笑う者







「さてと」



再び殺害現場に戻って来た斉藤。


嘉山はその後ろでごくりと唾を呑む。





「斉藤刑事、これが現場写真です」



「おう、どうも」



鑑識さんから写真を受け取ると、斉藤はそれらを1枚1枚丁寧に見て行った。


もちろんそこには、惨たらしい姿に変わり果てた遠藤も写っている。




俯せになって倒れているせいで、血の海に体を沈めようとしているかのようだ。




「仏さんの顔を見ずに済んだだけ、マシか…」



「え?」



斉藤の言葉に、嘉山は首を傾げた。



そして今見ていた写真を、覗き込む。




「あれ!?」


「…何だよ?」



「何ですかこれ!?」



嘉山はその写真を掴み、顔の近く近くにまで近づける。




「何ですかって…遠藤さんだろうが」



「そ、それはそうなんでしょうけど、違うんです!!」



「はあ?」



嘉山は斉藤の顔を見据えた。


その目は不安という色で塗込められている。






「僕が最初に見た時、遠藤さんは"仰向け"だったんですよ!!」









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