
刑事とJK
第97章 根城の裏で笑う者
「で、あとは毎度のこと、現場の確保をしたよ。
立入禁止のテープを貼ったり、なんやかんやとな」
「そうっすか…」
まだ少し、ちらほらと尋ねたいこともあったが、斉藤はやめておいた。
「お忙しいとこ、すんません。帰ってもらって結構っす」
「相変わらず無愛想だなぁ斉藤。
じゃあまた、何かあったら聞いてくれ」
「あざっす」
ここで藪内は、自分の持ち場へ戻っていった。
後に部屋に残ったのは、斉藤と嘉山の二人。
「…さて」
「どこ行くんですか?」
「腹減ったから、飯食いに行く」
事件があったことを忘れてるんじゃないかというくらいあっさり答える斉藤に、嘉山はため息をつく。
「事件の内容も、整理しがてらな」
「…」
言い残した言葉が嘉山の中の何かを捕えたせいで
嘉山も斉藤の後をついていった。
――――――
「―――よく食べますね」
「あ?
そうか?」
机には山積みにされた焼きそば。
全て斉藤が食べるというのだから、嘉山は感嘆を通り越して呆れ返っていた。
「食いしん坊なんですね」
「ガキみてぇに言うな。
食える時に食っとかなきゃ、何が起こるかわかんねぇからな」
斉藤は早速、一箱目の焼きそばに箸をつけた。
「で…斉藤刑事、事件の内容の整理…とは…」
「え、ああ…」
口に麺をほうり込む。
それが喉を通ってから、斉藤は話しはじめた。
