刑事とJK
第17章 スキってね
「一度だけ、見たことがあるわ」
真理子はゆうひを
落ち着けるように座らせた
「とてもしっかりしていて、
正貴も全く逆らえなかったわね…、
まさか正貴の好きだった人があの子だったなんてね」
『……』
「そういえば、彼女、
ゆうひちゃんに似てるわよ」
ゆうひは驚いた
『それ、藤野さんも言ってました…
何が似てるんですか…?』
「ん~、なんだろ?
別に顔が似てるわけでも、
声が似てるわけでもないんだけどねぇ…」
真理子はゆうひを上から下まで何度も眺めた
「わかんないわ…」
『そうですか…』
ゆうひはチラッと時計を見た
『え、4時!?
しまった、今日はバイト早かったんだ…
急にごめんなさい、おいとまさせてもらいます!!』
ゆうひはバタバタと荷物をまとめた
「若いって大変ね」
『真理子さん、ありがとうございました。
斉藤にもよろしく伝えといて下さい!!』
ゆうひは走って行った
真理子は紅茶を注いで飲んだ
「好き、ねぇ…」
ゆうひちゃん、
あたしは好きにもいろいろあると思うわよ?
友達と恋人への好きは別物、
それはもちろんだと思うけど…
恋人を好きという気持ちも
人によっていろいろあると思うの…
だから、まあ…
「諦めないでね♪」
真理子はふふっと笑い、
またひと口紅茶を飲んだ