刑事とJK
第20章 誘拐事件
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バンッと斉藤はドアを開けた
そこには吉川がいた
「お、斉藤じゃねぇか、お疲れー…」
「時間、あるか?」
「時間…10時か…
しゃあねぇな。用は何だ?」
吉川は帰ろうと思っていたが、
背負っていた鞄を下ろした
「わりぃな…、この携帯の場所捜せるか?」
斉藤は吉川に、
自分の携帯にあるゆうひのアドレスを見せた
「楽勝♪」
吉川は携帯を受け取り、
パソコンの前に座った
「頼むな…」
斉藤はその部屋から出て行った
シゲも吉川に頭を下げると
その後をついて行った
「先輩、吉川先輩ならすぐに見つけてくれますよ…」
ガシャンッ!!!
斉藤は廊下に置かれているごみ箱を蹴倒した
ゴミが散乱する
息を荒立てて、斉藤は壁に頭を打ち付け始めた
「せっ、先輩!?
やめてくださいよ!!」
必死にシゲが止めようとして、
斉藤の体を後ろから押さえる
「オレじゃねぇか…、最後にあいつを見たのは、
オレじゃねぇかよぉ…!!!」
「先輩…」
「あの後すぐに…誘拐だとか…
オレが、いたのに…!!!」
自分の全てが
許せなかった
もし…
だとか
考えれば考えるだけ
後悔の念に駆られる
「先輩…、今はゆうひちゃんを捜すことが優先です。
反省会なら、全部片が付いてから
好きなだけしてください」
シゲが斉藤を放すと
斉藤はゆっくりとシゲの方を向いた
「…っはは…
お前に教えられるたぁな…」
「僕は先輩の後輩ですからね」
「ああ、そうだな…
悪かった」
斉藤は落ち着きを取り戻した
「おーい、場所出たぞー」
吉川が呼びに来た
「ほんとか!!」
二人は急いで吉川の部屋へ走った