刑事とJK
第22章 ごめん
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「食欲はある?」
『あります』
「最近計った体重、覚えてる?」
『えっと…51kg…です』
「そう、じゃあ体重計に乗って」
ゆうひは一旦刑事課の方で保護され、
健康診断を受けていた
「…えっと…48kg…ね」
津森は紙に記録を書いた
『48…
3kgも減っちゃいましたね…』
はははっと元気なく笑うゆうひを、
津森は心配げに見た
いくら斉藤をかけたライバルだからといって、
別にゆうひのこと自体は嫌いではなかったからだ
(ちなみに、ゆうひが閉じ込められていた部屋で
斉藤と何があったかは、まだ誰も知らない)
「監禁されてた間は、何を食べてたの?」
『一日に三回、パンと水を毎食食べました…』
「パンってどんな?」
『ほら、よく給食で出されたような、
味のついてない…コッペパン?ですかね。
それ一個でした』
根本的に量が少な過ぎる…
空腹、栄養不足、長時間の拘束からのストレス、疲労…
津森はゆうひの手を握った
「…つらかったね…」
ゆうひは、なんだか
初めて津森の優しさに触れた気がした
『いいえ…あたしなんて、
全然…平気ですよ?』
自分のことを心配してもらってここまで悲しそうな顔されたら、
無理にでも元気に振る舞ってしまう…
「しばらく、ベッドで休んでなさい。
食事も、少しずつもとに戻して行きましょ?」
ゆうひは頷いて、誘導してもらったベッドに横になった