刑事とJK
第29章 体育祭
―――――――――――
こうして、体育祭初日は無事終わった
斉藤とゆうひは
途中まで一緒に帰った
『斉藤、今日はありがとうね、来てくれて』
「いいえぇ」
斉藤はサングラスを外した
『明日も…あるんだけどさぁ…』
「そうなのか、
何すんだ?」
ゆうひは口をつぐんだ
「…どうした?」
『肝試し…だって…』
「体育祭で肝試し?
おもしれぇじゃねぇか」
『結構、本格的…とかいう噂で…
ぼ…墓地に、行くんだって…』
ゆうひの声は震えはじめた
斉藤はそんなゆうひの顔を覗き込む
「怖ぇの?」
『怖くない…』
「へー…、それも、保護者同伴?」
『…うん…』
「わっ!!」
『いやああああああああ!!!!』
斉藤は少し大声で
ゆうひに向かって叫んだ
予想以上のゆうひのリアクションに、
斉藤は大笑いした
『ち、ちょっとちょっとちょっと、
やめてよバカほんとバカ!!
ああもうびっくりしたじゃんかああ!!』
「ひーっ、ひーっお前、
どんだけ怖がってんだよ、腹よじれるわ」
腹を抱えて笑う斉藤を、
ゆうひは殴りまくった
『ひどい、最低!!
もー、斉藤嫌い!!
ありえない!!』
「待てって…、ははは、相当苦手なんだな。
明日も一緒にいてやるよ」
ゆうひは半泣きで斉藤を睨む
斉藤は、よしよしとゆうひをなだめた