テキストサイズ

刑事とJK

第33章  V S





________________________




「先輩、紙置いときますよ」


「おう」



普段通り、斉藤とシゲは
仕事部屋で書類整理をしていた



なんだか今日はやけに仕事が進むなぁ



と、斉藤は上機嫌だったが、
それはつかの間のことだった







「なんだ、埃っぽい部屋だな」






そう言って扉を開けて入って来たのは、
二人の身なりのいい男たち



どちらも、そこそこの歳のように見える



そしてその面々はどこかで見たことがあった






「…何だあんたら?」





斉藤は尋ねた


するとシゲがヒソヒソと耳打ちした







「先輩、あの人たちですよ。
半年ほど前に僕らが解決した事件を横取りした…」





「…ああー」






斉藤ははっきりと思い出した



こいつらは、斉藤たちが解決したはずの
◯△連続殺人事件の手柄を横取りした上司たちだった





「どーも、で、何か?」



斉藤は立ち上がった




「服装バツ」



上司のひとり、
本郷は斉藤の胸元を指差した



チッと舌を鳴らして、
斉藤はボタンをひとつ留める




「まだバツ」



もうひとり、田沼が指差した



斉藤はイライラしながら、
もうひとつ留めた







「今日伺ったのは他でもない。
この部屋を私たちに明け渡したまえ」





「…今なんつった?」





「聞こえなかったか?
この部屋を私たちに明け渡したまえ」




斉藤は本郷の前に立った




「話が急過ぎてよくわかんねぇんすけど」



「君の頭はミジンコ以下だな」



「っ…」






シゲは反射的に斉藤を押さえた




「先輩、手をだしたらダメっすよ…!!」








と、そこへ藤野が入って来た



「すいませーん、今から斉藤刑事に面会、
ということなんで、一旦出ていって貰えます?」



「…」



本郷と田沼は藤野をギロっと睨みつけ、
部屋から出ていった







ストーリーメニュー

TOPTOPへ