刑事とJK
第39章 冬のシゲの春
藤野と真理子は、千花のことは知っていた
だから何となく、今の状況は検討がつく
「…斉藤が悪いな」
「ええ。女心がわかってない正貴が悪いわ」
二人はうんうんと頷いた
「…んだよそれ、
何でオレがわりぃんだよ?」
「正貴、そう言ってる時点でアウトだからねん」
「はあ?」
そうやってしゃべっている斉藤を、千花は見つめる
シゲにはその時の千花の顔が、まるで泣いているかのように見えた
「…先輩と…斉藤先輩と
知り合いだったんですか?」
千花ははっとしてシゲの方を向いた
「はい、まぁ…
遠い遠ーい親戚のようなものでございます」
「さっき縁結びがどうこうって…」
「あれは…何でもない、
ただの戯れ事にございますよ」
寂しそうに首を傾げる千花は、
どこか色っぽかった
「あの…お名前は…?///」
「花宝院千花と…申します」
「千花さん、僕、嘉山茂弘っていいます!!」
「嘉山、さん?」
「あ、シゲって呼んで下さい!!///」
「シゲさん」
「はい、何でしょう!?」
「ふふ、何でもございませんわ」
「え、あ、はあ…」
シゲは頭を掻いた
それを見て千花はクスクス笑う
藤野は真理子の腕を肘で突いた
「なあに♪?」
「嘉山、顔真っ赤」
藤野の視線を追い、真理子はシゲを見た
「ま、ほんと
かぁわいい♪」
シゲたちの方はほのぼのとしていた
しかし、こっちはというと…
「ゆうひ、なぁ、
何でそんな怒ってんだよ?」
『怒ってないし、馬っ鹿じゃないの?』
…ギスギスしていた