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刑事とJK

第42章 船上の殺人事件2





斉藤はゆっくりと足を進めた



部屋の奥に入ると、悪寒がした




ベッドの上には布団を被った横田


その頂点に突き刺さった包丁は、
不気味な光をまとっていた





「横田…さん…!?」




「…遅かった」



斉藤はガンと椅子を蹴倒した





――――――――――




PLLLLL… PLLLLL…



藤野の携帯に電話が掛かった



「はいもしもし、どうした斉藤?」


藤野は怪我をしていないほうの手で電話に出た



《…犠牲者出ちまったよ》



「な…なんだと!?
待て、一体誰が!?」



《…横田だ》



「―――!!!」



《どうする…全員集めるか?》



「…いや、あまり公にはしないでおこう。
俺もそっちへ向かう
場所は…355号室か、わかった」




藤野は電話を切った


その時の藤野の表情に、
真理子は不安になった



「どうかしたの…?」




「…横田が、殺されたそうだ」



「ええ!?」

「横田君が…!?」



真理子も江口も、目を見開いた



「二人は一緒にいとけ。
絶対に、ここから出るなよ?」



藤野は走って行った



「泰輔…」



…スッゴく、かっこいいよん///


絶対出ないわっ///




――――――――――




「斉藤!!」



「藤野、腕は大丈夫か?」



「かすっただけだからな
それより、横田は…」



斉藤は顔をクイッと向けて横田を指した



藤野も現場の状況に息を飲んだ



「やっぱ…何度見ても、
良いもんじゃないな…」



藤野は頭を抱えた



「で…どうするんだ?」



「会場にいる社長たちにだけ伝える
…残りは、後でだ」



斉藤は部屋を出た、その時…



「あ、あんたは…!!」




廊下でたまたま出会ったのは、ゆうひにちょっかいを出していた純友株式会社の息子だった



「その部屋は横田の部屋だ。
何をしている…?」



純友は顔をしかめて斉藤を睨んだ





「…お前、部屋はどこだ?」




「は?」




「どこかって聞いてんだ」




純友も、斉藤の睨んだ顔には思わず腰が引けた





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