刑事とJK
第43章 恋ガタキ
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それから数ヶ月が過ぎた
弥生と話をするときは、いつもあの忌ま忌ましい名前が出てくる
『斉藤のやつ、犯人追っかけて
足くじきやがったんだよ、なっさけなー』
村上はけらけらと笑うが、
南はそんな気分にはなれない
つらい…
好きな女に、他の奴の話を楽しそうにされると…
「弥生…」
『ん?』
南は村上を抱きしめた
『お、おい、ちょっと…///』
「…初めて見たときから…
弥生に惚れてたよ…///」
『南…///』
「好きだ…誰よりも弥生が…///」
村上はゆっくり南の体を離した
『…ごめん、
ごめん南…、あたしはあんたと、
そういう関係にはなれない…』
村上の顔は、申し訳なさでいっぱいだった
「…斉藤か…?」
『違う…そんなことじゃなくって…』
と、否定しつつも顔を赤く染める弥生を見ていると、
いたたまれない…
『南は…南だから、さ…』
「…」
南は薄く笑った
「…悪い…忘れてくれ…」
南が立ち去ろうとすると、
村上は言った
『…でも、あんたのことは嫌いじゃない…本当だ』
「…ありがとう」
村上のいたわりが、
反って南にはつらかった