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刑事とJK

第43章 恋ガタキ



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「…ふ」


南は笑った



「あ?
何笑ってんだ」


斉藤は尋ねる



「昔のこと、思い出したよ。
お前とのケンカはもううんざりだ」



机の上の紙皿を片付け、
南はごみ箱へ捨てた




「どこ行きやがる…
まだ話は終わってねぇぞ」




「お前と話すことなんてないよ。
悔しかったら、俺より先に事件を解決してみろ」



そう言って、南は仕事場に戻って行った



「…」



斉藤も、仕方なく自分の持ち場に戻った





―――――――――――






仕事をしていると、
南の目には斉藤が映った



外に出かけるようだ



最初は気にも留めなかったが、
ほぼ毎日同じ時間帯に斉藤が出かけるので
南は不思議に思った



「斉藤は、いつもどこに向かってるんだ?」



南は吉川に聞いた



「ああ…あれはあいつの日課っすよ」



吉川はクスクスと笑った



「…?」





次の日、南は斉藤の後をつけた


斉藤はぶらぶらと歩いている


しかし目指す場所は明確なのか、
まっすぐ進んでいく




すると、斉藤は公園に入って行った



「?」



なんでこんなところに…?




南はしばらく
遠くでその様子を窺った



斉藤は一人ベンチに腰を下ろしている





…ただの仕事サボりじゃないか…



南が帰ろうとしたとき、
一人の女の子がすぐ目の前を通りすぎた






「えっ…」




弥生―――――?




目を凝らしてよく見ると、
村上とは全く違う顔だった




…そうだよな…弥生は死んだんだから…



フッとその女の子を目で追った


するとその子は、
斉藤と仲良さそうに喋りはじめたではないか






「…斉藤の奴…」








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