刑事とJK
第45章 謎のおじさん
「先輩…手帳…」
シゲもおじさんの行動に驚いている
「これも、返すよ」
また、おじさんはポイッと投げた
窓の外で見ていた者も、
驚いている
「あれ、いつの間に…」
藤野が呟く
「さっき、斉藤がオッサンの腕を掴んだときに手帳を、
チョップしたときに携帯を抜き取ってたぞ?」
南が答えた
「南さん見えてたんすか!?」
「あんな一瞬のことを!?」
「動き自体はそんな速くなかったけど、
抜き取り方が巧みだったな。
だから気づかなかったんじゃないか?」
ほおおお と感心の声が上がった
一方中では…
「斉藤君、ちょっと一緒にしゃべらないかい?」
「ごめんだな
さっさと帰れ!!」
「ちょっとだけだから」
おじさんは両手を合わせて頼んだ
「…」
斉藤は椅子に座った
「おお、さすが、話が分かるねぇ~」
そう言っておじさんも
斉藤の前に椅子をずらしてきて座った
「あ、そこの後輩君は
ちょっと出ていってくれないかな?」
「あ、はい…」
シゲは部屋を出た
「話って何だ…?」
「そのゆうひちゃんって子は、
誰かと暮らしてたりするかな?」
「何でゆうひの話を…」
「答えられる範囲でいいから」
「…あいつは一人暮らしだ」
「ご両親は?」
「本人は死んだっつってた…」
「へーえ…」
謎のおじさんは
ポケーッと上を向いた
「オッサン、名前は?」
「僕かい?
…謎のおじさ…」
バコッと斉藤は殴った
「僕は、岩崎(イワサキ)っていうんだ」
「岩崎?」
「ああ、僕のことについては
あまり何も言わないからね」
岩崎は頭を振った