刑事とJK
第50章 魔物
数時間後、浜辺にヘリコプターが到着した
斉藤たちはそれに乗り込み、
一息ついた
「…まさか、このヘリも
自動操縦じゃねぇだろうな…?」
「大丈夫ですよ先輩、
ちゃんとパイロットさん乗ってましたよ」
ヘリコプターはバラバラと音を立てて
空へ飛んだ
あの一大事の後、
一体何があったのか…
シーザは何と斉藤に詫びたのだ
"君のおかげで、被害をこの程度で止められたよ。
ひどい扱い、許してくれ"
と…
シーザはゆうひのことも、渋々諦めた
そう…別に、
悪い人じゃなかった
だからこうやって、
皆が村から無事に帰れたわけだ
「…でっかい蛇?
そんなのいるわけないじゃないの~♪」
真理子は話したことを全然信じない
まあ、信じろというほうが
無理なのかもしれないが…
「ところで斉藤、なんであの時、
蛇が村にいるってわかったんだ?」
南は尋ねた
「ああ?
えっとなー…」
落ちていたピーナッツが、
あまりにも不自然過ぎたのだ
あんな綺麗に、均一に並んだピーナッツ…
誘っている罠にしか思えなかった
あの大蛇は、長年人間と争って
あれだけ巨大化し
知恵までつけたに違いない
男たちを遠くにおびき寄せ、
その間に村の女を食いあさる…
単純な考えだったが
実際人間側が引っ掛かってしまった
何とも情けない話だ