刑事とJK
第51章 さよなら
「先輩には、もっとここにいてもらわなきゃ困ります!!
僕なんてまだまだ半人前だし、…行かないで下さいよ」
「男がぴーぴー言ってんじゃねぇよ
。
おめぇはもう一人前の刑事だよ」
斉藤はシゲの肩に手を置いた
すると、シゲの目からは
ボロボロと涙がこぼれた
悔しそうに口の端を引き下げ、身体を震わせた
「馬鹿、泣くな。
みっともねぇよ」
「先輩…先輩ぃ…
あ、ありがとう…ございましたあぁ…」
「1番の後輩だった」
斉藤もこの時だけは
シゲとがっちりハグしてやった
何度も背中を叩いてやると、
さらに泣き出す
「ガキか」
「ガキ…ですよおぉお…」
―――――――――――
斉藤の異動は、刑事課中に知れ渡った
いろんな人が、
別れの挨拶と激励とをしに来てくれたことに
嬉しさ半面
やはり、寂しさもあった
そして
出立の時がやって来た
引越の手続きはもう済ませてしまっていて
今日は昼前には
新幹線に乗り込んで
この町を出る
思い出深い
特に
あの公園ではいろんなことがあった
斉藤は出発前に、ぶらぶらとその公園にやって来た
朝早かったので
まだ誰もいない
誰も…
「…最後…
ゆうひに…」