刑事とJK
第54章 結婚式
『えっへへ~ん///』
ゆうひはテーブルに戻ると、
斉藤にブーケをひけらかした
「…なんだよ…?」
『なんだよって、ほらほらっ』
「…ただの花束じゃねぇか」
『は?』
こいつ、
ブーケトスの意味知らんのか!?
『いいよもう!!』
ゆうひはプイッと外を向いた
「はあ?
何なんだよ、言えっつの」
『単細胞の塊に何言っても
無駄なだけだもんね』
「はー!?
お前なぁ…!!」
南とシゲは苦笑い
――――――――――
「源十郎さん、真理子は本当にきれいな子ね」
光子は、源十郎に笑いかけた
「まあ…な」
源十郎は、
ドレス姿の真理子を見つめる
「藤野さんもしっかりしてそうだし、
良かったですね」
「…見かけだけじゃなければな…」
源十郎はゆっくり立ち上がった
「源十郎さん…そんな言い方は…」
「少しあける」
源十郎はひとりでトイレに向かった
――――――――――
結婚式(と結婚披露宴)は
順調に行われていった
…はずだった
「…何か、焦げ臭くねぇか?」
斉藤はゆうひの肩をつついた
『え
…そう?』
ゆうひはグルッと辺りを見た
『…あ』
ふと見上げると、
雰囲気作りのためのキャンドルの火が
飾り付けのたるんだ布に引火しているのが見えた
『や…ばいんじゃ…』
ゆうひがそれを指差すと、
斉藤たちも見上げた
「火、ついてんぞ?」
「…だな」
「まずくないっすか?」
布に引火した火は、
みるみるうちに広がっていく
「…」
「…」
「火事だーーー!!!!!」