刑事とJK
第54章 結婚式
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「…高」
斉藤は宝石店に来ていた
ショーケースの中には、綺麗なアクセサリーが並んでいる
ネックレス、ピアス、指輪…
特に、斉藤が眺めていたものは指輪だった
しかしどれもこれも
結構な値段ときたもんだ
「何かお探しですか?」
黒いスーツを着た男の店員が話しかけてきた
「え、いや、ははは…」
「結婚指輪でも?」
ぐさっと何かが突き刺さる
「ただ寄っただけっす…」
斉藤は、
しかし指輪に目を落とす
「よければ、ご相談に乗りますが…」
「…」
斉藤は丸型のダイヤモンドがついた、
小さい指輪を指差した
「…もうちょい、安くなんねぇっすか?」
「…お客様…
ケチケチしてたら、
女性は離れていきますよ?」
ぐさぐさ
「…サイズ、わからないんで、また…」
そう言って、斉藤は店から出た
…金貯めよう…
密かに、そう決意した