刑事とJK
第56章 夢
施設から、
一人の女性が出てきた
「こんにちは」
髪を後ろでひとつに束ね、
ラフな格好をしている
年は多分、30代半ばだろう
『こんにちは』
ゆうひが挨拶すると、
隣で斉藤はペコッとお辞儀する
「今日はどうされましたか?」
『この子…』
ゆうひは女性に、わけを話した
『―――で…飼い主を見つけてあげられたらいいなぁ
って思ったんですが…難しいですか?』
犬は嬉しそうに、
しっぽをパタパタさせている
「…それは、わかりませんね。
でも、この施設で預かりますよ?」
『本当ですか!?』
「ええ」
女性は笑顔で返した
『ありがとうございます!!』
「一応、施設内を見て回りますか?
この子の生活環境を知ってほしいので」
『見ます!!
見せて下さい!!』
斉藤はゆうひの腕をトントンと叩いた
「じゃ、先帰っとくわ」
『あ…うん
ありがとうね///』
「おう」
斉藤は手を挙げて、
先に帰って行った
ちょっと寂しいけど
あたしは施設の中を見せてもらうことに
―――――――――――
「主に、ここで動物たちは寝てますね」
女性が開けた部屋には、
たくさんの檻
そしてたくさんの犬や猫が
その中で眠っている
『すごいですねー』
ゆうひは感心した
「このワンチャンは、
とりあえずここに入れときましょう」
犬は、ケージに入れられた
窮屈そうで仏頂面をしているが、
ちゃんと大人しくしている
…ちょっと斉藤みたい