刑事とJK
第57章 破壊
「こんなどうでもいい内輪揉めも、
犯人の思惑通りだと言うのか?」
警察課のひとりが言った
「まだ仮説のひとつだっつってんだろ」
「斉藤、言葉遣い気をつけろ」
藤野が注意した
が、斉藤は無視する
「こんな大規模な犯行、ひとりじゃ無理だ。
多分向こうは大勢いるはずだ」
「その線は濃いかもしれないな…」
と呟いたのは、
警察課室長の林(ハヤシ)だった
「…仮にそうだとして、
何故ここを潰そうとするんだ?」
その隣に座る二課代表の田巻(タマキ)が言った
「相当ここに恨みを持った…
犯罪集団じゃねぇっすか?」
「犯罪集団か…
たちが悪いな」
…
しかし、ここからはあまり話が進まなかった
まず二課と警察課の者が、
この話を いたずら だと片付けてしまう方向にある
これでは、
いい策が出るものも出ない
一旦会議は中断され、
しばらく休憩時間になった
「ふぁあぁ~、ねみー」
斉藤が時計を確認すると、
もうすぐ日が変わる時間になっていた
「とりあえずお疲れ」
眠気覚ましにコーヒーを飲んでいるところへ、藤野が来た
「おう、お疲れさん」
藤野は斉藤の横に腰を下ろした
「…にしても、二課の奴らも警察課の奴らも
ほんと頭固いよな」
「まあな…
実際事が起こってからじゃ遅ぇっつぅのに…」
「で、お前は何か考えがあるのか?」
「まだ何も出てこねぇ」
「珍しくてこずってるなぁ」
「不明な点が多過ぎんだよ…」
斉藤は空き缶を放り投げ、
ごみ箱へ入れた