刑事とJK
第58章 4つの事件
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そのころ藤野は、放火した犯人の後を追っていた
火をつけながら逃げ回るので、追いかけるのは簡単だったが
道を進むにつれ、藤野は心配した
「こっちは、俺の家の方向じゃないか…」
藤野は急いで真理子に電話した
…頼む、出てくれ…
《もしもし、泰輔?》
藤野は息を吐いた
…よかった
「真理子、大丈夫か?」
《なーにがよ♪
どうしたの?》
「いや、元気なら…なんでもない」
――――――
真理子は不思議に思った
「何か、あったの?」
《…外を、放火犯がうろついてる…
充分注意してくれ…》
真理子はカーテンを閉めた
「平気よ、泰輔が守ってくれるでしょ♪」
《冗談とかじゃなくて…!!
本当に…》
真理子は少し驚いたが、すぐに返した
「わかったわ、ちゃんと気をつける。
早く、帰ってきてね♪」
《ああ、じゃあまた…》
バイバイと言おうとした時、
カーテンの後ろにボヤッと影が出来た
「?」
真理子は振り向いた
―――――
《ガシャーンッ
…ゴトッ》
「!!?
真理子、どうした!?」
電話の向こうから
何かが割れる音と、
電話が地面に落ちた音がした
「真理子!?
真理子!!?」
必死に受話器に向かって叫ぶが、何も応答はない
「…っ」
藤野は、運転手に指示した
「スピード上げろ!!」