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刑事とJK

第58章 4つの事件







ゆうひが走って向かった場所


それは刑事課だった



思い切り扉を開け、中に飛び込んだ





『ハァ…ハァ…っ…ハァ…』



息を切らして、顔を上げた






「ゆうひ…」



『…斉藤!!』





目の前には斉藤がいた


いてもたってもいられずに
ゆうひは斉藤に抱き着いた





「ど、どうしたんだよ急に…!?
こんな夜遅くに…」



『ふぇええぇ~ん、斉藤ぉおぉ』



ゆうひは斉藤の胸で泣き崩れた


理由はわからないが、
とりあえず斉藤は背中をさすってやった




『怖かったよぉ…怖かっ…うぐっ』



「何があったんだよ…?」




『ふぅうっ…ひっく…ひっく』



「はぁ…」




斉藤はゆうひを仕事部屋に連れていった



椅子に座らせて、
とりあえず泣き止むのを待った






『…』





だいぶ落ち着いてきたようだ



見計らって、
もう一度聞き直した





「何が、あったんだよ?」





『…玄関の扉を叩く音がして…―――』





ゆうひは話した





男が入ってきたこと

包丁を振ってしまったこと

追いかけられたこと

無我夢中で走ったこと…








『…でも、斉藤に会えて、よかったぁ…』



またゆうひの目に涙が浮かんだ







斉藤はゆうひの手を握る



その表情は、
悲しげでつらそうだった






「…そばにいてやれてなくて…ごめんな…」




『っ、斉藤が謝ることじゃ…』




「怖かったよなぁ…」



『…』





まさかゆうひまで危ない目に遭っていたなんて…







斉藤の感じた嫌な予感とは、
このことだったのだろうか…?



それとも、まだ何か…















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