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刑事とJK

第59章 裏切り






「さ、斉藤はダチだ!!
死んでもそんなことできるかよ!!」




吉川はきっぱり言った


刺された男は腕の傷口を押さえながら
転がり回っている



「吉川…」



斉藤は、
もう何が真実なのかわからなくなってきた







「わかってんのか吉川ー、んなことしたら…」




「うるせー!!!」





吉川は斉藤を押さえる男たちを突き飛ばした


体が自由になり、
斉藤は起き上がった





「ハァ…ハァ…」




息を切らしながら俯く吉川の顔には、
涙が流れていた




「吉川、おめぇ…」



「斉藤…ごめん…ごめん…!!」




吉川は床に頭を擦り付けて謝った





「け、恵子ちゃん…守りたくって…
俺、皆を裏切っ…ごめん…!!」




「津森を…?」




そう言えばここ何日か、
津森は休暇を取っている…






「…まさか…」




「そのまさか。
津森って女は俺らの手の内だ」




千堂は腕を組んだ







そう、

"女を殺されたくなければ、
俺たちに協力しろ"

と、吉川は脅されていたのだ





「でももうだめだな、
もったいないけどあの女は殺すよ」



千堂が指示すると、
ひとりの男がどこかへ電話を掛けようとした




「や、やめ…!!」



吉川は泣きながら千堂にすがったが
千堂はその手を払いのける




男が電話のボタンを押そうとした瞬間、
斉藤はその電話を取り上げて
床にたたき付けて壊した




「お前…!!」




男が斉藤に殴り掛かろうとすると、
斉藤は男の顔面を殴り飛ばした













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