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刑事とJK

第60章 泣いてるの?








「ゆうひ…?
ゆうひ…?」






斉藤はゆうひの顔を
手で包み込むように撫でた






「目…開けろって…
今、なんつったんだよ…?」






撫でていた手が、また震え出す






「なあ、ゆうひ…?
…ば…」







全部







吐き出しそうだ









「…馬鹿野郎!!!
何やってんだよ!!!
人のこと散々悪く言っといて、
何やってんだよぉ!!!」






ゆうひは何も反応しない






「おめぇ、やっと仕事就けたんだろ!!?
犬っころの世話、してやんだろ!!??」






自分の顔は


一体どれくらい歪んでいるんだろう…?







「なあ、ゆうひ…黙ってたらわかんねぇって、
いっつもお前が言ってたじゃねぇか…!!」







息が出来ない





呼吸の仕方も忘れちまった








「オレ…まだおめぇに…

渡せてねぇじゃねぇかよおおお!!!
だから、目ぇ開けろって、ゆうひ…ゆうひ!!
ゆ…」










もう何も…いらねぇから…











「死ぬなよぉ
ゆうひいいいぃー!!!!!!」











おめぇがいなくなったら



それこそ



オレの世界には



何も残らねぇって…




わかんなかったのかよ…?







オレの方こそ…




おめぇに、いろんなもん貰った…



教えて…もらった…









愛するって…こと…






















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