刑事とJK
第69章 敵に塩を送る
「その歌…何?」
飛鳥は尋ねた
「飛鳥と離れてから作った歌。どう?」
「…よくわかんない」
飛鳥がそう言うと、清隆は笑った
「そりゃそーだよ、
俺だってわかんないもん」
「は?」
「適当に頭に浮かんだ言葉を並べただけだからね
…多分、飛鳥に向けての歌だけど…」
「…そうなの?」
「多分」
飛鳥は清隆を見た
「メロディーは、良かった」
「歌詞は?」
「超不明」
「ひどーい」
すると、
ふと清隆の笑顔が消えた
「飛鳥…ごめんね」
「…何で謝るの?」
「俺のせいで…彼氏さんとギクシャクなっちゃって…」
「…ほんと、迷惑な話」
飛鳥はプイッと外を向いた
…1番ダメだったのは
あたしだよ
「ほんとごめん…
…飛鳥?」
「…何?」
「俺が抱きしめたとき、
抱きしめ返してくれたのは何で?」
「…」
まだ心のどこかで、
清隆を想ってる部分があるのは
認める
でもだからって、
あたしが取った行動は軽率過ぎた…
南があの場にいると知っていたなら…
あたしは迷わず
清隆を突き放してた
でも…清隆と二人きりだ…って思ったら
あたしは清隆を受け入れてしまった
「あたし…
中途半端な女…」