刑事とJK
第80章 終わりへの始まり
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その日も通常出勤
ただ、いつもと少し違っていたのは
刑事課内の空気だった
明るいわけでも暗いわけでもない
ピリッと張り詰めた空気だ
違和感を覚えながらも刑事課室に入ると、皆が集まっていた
「おはよーっす…」
恐る恐る挨拶すると、皆一斉に振り向いてきた
さすがに多少ビビる
「な、なんだよ…?」
「斉藤、見てみろ」
藤野や他の奴らに手招きされ、仕方なく皆が注目しているところを見た
「…?」
誰かが部屋の中で中島と喋っている
ただ、ここからの角度では
喋っている人間の顔が見えない
「誰だ?」
「俺らもよく知らない…だけど、日本人と外国人だった」
「外国人?」
「中島さんと仲よさ気だったな」
「へー…」
ガチャ
!!!
突然扉が開き、中から人が出てきた
見物していた皆は慌てて後ろに下がり、息を呑んだ
「あ」
出てきた人間は、斉藤を指差した
「あ…!!」
斉藤も思わず声を出してしまった
「長谷川さん…!?」
「斉藤~、元気だったかー?」
出てきたのは、斉藤の恩人であり、新婚旅行でトムとしてガイドもしていた
長谷川であった