刑事とJK
第84章 ミッション
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斉藤、ゆうひ、小泉は中央塔に入ることに成功した
管理塔と同様に、螺旋階段が取り付けてあり
一気に駆け上がっていく
『…』
しかし2階までの距離が長く、ゆうひの体には厳しかった
…ちょっと…気分悪くなってきた…
先を進んでいた斉藤と小泉は、ゆうひが後を付いてきてないことに気付いた
「ゆうひ…!?」
「あ…」
ゆうひは下の方で、壁に手を付いて俯いていた
『…っ』
斉藤がゆうひのもとまで駆け降りようとすると、ゆうひは首を横に振った
『た…ただのつわりだから…さき、行っといて…』
「こんな危ねぇ所で一人にさせられっかよ…!!」
『だぃじょーぶ…時間…ないんでしょ…?』
ゆうひは無理に笑顔を見せた
「世話焼かせなんだからー」
ピョイピョイっと小泉は階段を降りて行き、ゆうひをおんぶした
『え…!?
ちょっと…!!』
「早く行こー」
そのまま小泉は、また階段を上ってきた
「…」
斉藤は何も言わず、先頭になって階段を上っていく
「俺の肩に吐いても別にいいからねー」
『吐かなぃ…』
「まぁそれが1番だけど」
『…』
ゆうひの目には、階段を駆け上がっていく斉藤の後ろ姿が映った
…小泉があたしをおんぶしたのに…
何でなにも言ってくれなかったんだろ…?
変に寂しい気持ちに襲われた