刑事とJK
第85章 不思議の国
―――――
3人はなんとかミラーハウスから脱出することに成功した
『そういえば…時間って大丈夫なの…?』
ゆうひは心配そうに斉藤を見た
斉藤は時計を確認する
「ミサイルが発射準備を始めてから…もうすぐで1時間くらいだな」
「ククッ、急がないとマズイねー」
他人事のように笑う小泉に、斉藤は言った
「わかってんだろぅがな…この事件が解決すりゃ、真っ先にてめぇを捕まえてやっからな…」
「ククッ、その前に退散させてもらうよ」
『…』
この二人が…もしこんな正反対の立場じゃなかったら…
きっと、凄いコンビになっただろうな…
なんか…もったいない…
ついそんな考えが頭をよぎった
「ゆうひちゃん、どうしたの?
ボーッとしちゃって、いやらしいこと考えてた?」
すぐ目の前に小泉の顔が覗いた
『か…考えてないし!!!』
「てめっ、ゆうひに近づくんじゃねぇよ!!!」
「冗談だって、短気だなぁ」
「…のやろぉ」
斉藤は手をワナワナとさせ、
しかし今はこんなことをしてる場合ではない
と、この鬱憤を飲み下した
また先へ進むと、再び扉が3人の前に立ち塞がった
『はぁ…もう勘弁して…』
「しゃーねぇだろ、行くぞ」
ギィィ…
斉藤は扉を開いた