All Arounder
第11章 High School Student
「ん、お待たせ」
大志は部屋から出てきた
『ううん』
「んじゃ、行くか」
そう言って大志と姫は酒場から出ていった
「あちーあちー、何だよあいつら見せつけやがってよー。
マスター、酒」
「うらやましいのか、退斗?」
マスターはニヤニヤしながら井上に酒を渡した
「別にー」
『大志…』
帰り道を歩いている時だった
「あ?」
『あたし…どれくらい大志の家に泊まっててもいいの?』
そう聞く姫の上目遣いが何となく子供っぽくて
ついつい見つめてしまった
『ねぇ、大志?』
「…姫が好きなだけいたらいい」
姫は目を皿のようにした
続いて、頬にほんのり赤みが彩られていく
『…ありがと///』
「おう///」
好きなだけ
いてもいいの?
でも、あたしがもし笑える日が来たなら
あたしと大志は
そこでさよならなんだろうね…