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All Arounder

第3章 All Arounder





スーッと障子を開くと、畳の部屋


中からはひんやりとした空気が流れ出てくる



「…あれか」



奥には、資料で見たのと同じ仏像

大きさは手で持ち運べるほどだ




大志は忍び足で仏像に近づいて行く


畳は微かにミシミシと音を立てる




「いただき」



ペロッと口元を舐め、仏像に手をかけた






ジリリリリリリリ!!!!



!!!??








「誰だあ!!?」



ドタドタと足音をさせ、寺の坊さんが駆けてきた



しかし座敷には誰の姿もない




「…誤作動か?」



坊さんは座敷をぐるりと歩き回り、首を傾げながら出ていった




「…危ね」




大志はスルスルと柱から下りて来て、地面に足をつけた



…まさか警報機が付けられていたとはなぁ


計算ミスだった




仏像の周りを念入りにチェックしていく


すると仏像の真上に何やら見慣れない機械が取り付けられていた




「…これか」




たぶん、熱探知機か何かだな

ある一定の範囲(ここでは仏像の周り)で熱を感知すると警報が鳴るみたいだ…





これくらいなら話は早い






大志はニヤリと笑うと、懐からロープを取り出した




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