All Arounder
第14章 Secret Smile
「…親父と喋ってたのか?」
大志が突然口を開いたことより、質問の内容が姫にとっては苦しかった
『…聞こえてた?』
「あんまり、だけど…」
大志は毛布を引っ張り、抱え込んだ
「何喋ってたんだ?」
『…仕事お疲れ様です、みたいな』
「ふーん」
よっぽど眠たいのだろう
虚ろな目をして、大志は返事した
「なぁ、姫…」
『何?』
「…怒って…ごめん」
『えっ…///』
驚いて横を振り向くと、大志は姫の肩に頭を乗せた
『た…いし?///』
大きな大志が寄り添ってくると、優しい匂いに包まれた
心臓が高鳴る
どうしようもない緊張に襲われた
「姫…傷ついた?」
大志が怒ったことに対してってことかな…?
『ううん、大丈夫だよ。
あたしも勝手なことしてごめんね…』
「ううん…、もぅ気にしてねぇ…ょ…」
声がしぼんでいった
『…大志…?』
「…」
こっちが少し体を動かそうとすると、大志の頭は肩から落ちそうになった
…寝てるんだ…