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All Arounder

第17章 Shadow Threaten



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「絵が出来たって?」



斉藤は藤野のそばまで駆け寄った



「ああ、一応これが西浦財閥の令嬢だ」



斉藤は一枚の画用紙を受け取った



「…」




「どうした、斉藤?」




「え、いや…」




斉藤は画用紙を返すと、こう尋ねた



「この財閥の屋敷で働いてる使用人たちは?」




「まだ刑事課の方にいる。今は詳しく事情聴取中だ」




「そうか…」





斉藤はもう一度、画用紙に描かれた女性を見た




…心なしか、姫ちゃんに似ている気がする…



確か姫ちゃんの名字も
"西浦"だったよな…










「…んなわけねぇか」




「何がだ?」




「何でもねぇ」




絵を見ただけじゃ、よくわかんねぇ


令嬢の顔すら、まともに見たことのない使用人たちの証言をもとに描いた似顔絵だ



あまり当てにしねぇほうがいい…




「藤野、オレもう一回屋敷に行ってくるわ」



「わかった、ひとりで大丈夫か?」



「余裕だ」




斉藤は財布などの小物をポケットに突っ込むと、刑事課室を出て行った










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