All Arounder
第18章 Necklace
「何でまた殴んだ!?
謝ったし、機嫌も取ってやろうとしたのに…どうして欲しいんだよ!?」
大志は顔をさすった
『もぅ何もするな』
冷ややかな視線に、大志は言葉が出なくなる
シュン…と大人しくしていると、あることを思い出した
「そういやぁ姫って、風呂入る時もそのネックレスしてんのか?」
『え?』
姫は自分の首にかけられたネックレスを手に取った
『うん…まぁね』
今まで気にも留めていなかったが、姫は毎日のようにネックレスをしていた
朝から夜まで一日中
外したことを見たことがなかった
「錆びたりしねぇの?」
大志は手を伸ばし、ネックレスに触れた
『…///』
どうやら、シルバーのチェーンのようだ
錆びねぇとこを見ると、特別にコーティングでもしてあるらしい
『…お父様が、形見にくれたの』
「え…」
『亡くなる3日くらい前に…あたしにくれたの…』
「…じゃあ、大事なもんなんだな」
憐れみとも、同情とも違う
大志は優しい顔を向けた
姫はただ、首を縦に振ることしか出来なかった