All Arounder
第22章 What Should I Do ?
「大志…マジか?」
「ああ、男の腹にナイフ…息はなさそうだし、殺人だな」
まさか、絵を盗みに来たところで殺人事件に巻き込まれるとは…
いや、二人にとって殺人事件自体は大したことなかった
厄介なのは警察たちだ
「はぁ…」
大志はため息をついた
少なくとも自分たちが行動出来るのは、閉館時の1時間後…
しかしどうせその頃には、"夕暮れ"が飾られたフロアは警察たちで埋め尽くされるだろう
そうなってしまえば、こっちは迂闊に行動出来ない
また日を改めないと、…あまりにもリスクが高すぎる
「…けど、あんま延長出来ねーのも事実だよなー…」
「ああ。マジで面倒だ」
依頼人に絵を渡すと約束した日は、2日後
期限を過ぎれば、報酬は半額に減るし、何より
All Arounderの名に傷がつく
それは避けたい
だから大志としては、出来れば今日中に絵画を手に入れておきたかった
「…どうする?」
「どうするって…そーだなぁ…」
二人が考えているうちに、時間はどんどんと過ぎていき
結局1時間が経ってしまった
客は皆いなくなったが、やはり予想通り…
辺りは警察でいっぱいになった
「…仕方ねぇ…今晩はここで泊まんぞ」
「やだなーこんなとこで…」
警察が減りさえすりゃあ、すぐにでも絵を奪ってやんよ…