All Arounder
第25章 Dharma Doll Appears
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「で、どうだった退斗、二人を泊めた感想は?」
マスターは食器を拭くと、棚に並べていった
「まー…寂しくはねーわな」
ため息混じりで答える井上に、マスターは苦笑する
「何だ、不満でもあったのか?」
「…姫ちゃん、風呂も覗かせてくれねーし、夜は大志の厳重な見張りのせいで襲えずじまいだし…」
そして井上と大志の間では、"姫に料理を作らせてはいけない"という
暗黙のルールまで出来た
「…まあ、そうなるわなあ」
マスターはただ憐れみの目を井上に向けた
『何喋ってるの?』
そこへ、姫がひょこっと顔を出した
「お、姫ちゃんもう掃除終わったのか?」
『ううん、あとちょっと』
姫はちり取りを持ち出し、酒場の外へ出ていく
今はちょうど、大志と姫に酒場の前を掃除させているとこだった
「…ジュース一杯につられて掃除するとか…あいつらガキだわ」
「まあそう言うなよ、退斗にもあんな頃があっただろ?」
「…ねーよ」
井上の声が低くなったことに気づき、マスターはハッと口を閉じた
「…すまん…」
「別にー、マスターが謝るようなことじゃねーから」
井上は、グラスに注がれた酒をクルクルと回した