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今日もAll Arounderは、酒場にて依頼人を待つ…




「ほら、早くしろ」



大志はトントントントンとせかすように机を叩く



「うるせーよ、ちくしょう!!」


井上は結局先週の勝負に負け、三流All Arounderとして
大志にこき使われていた


今は、酒場をモップ掛けしているところだ




「悪いなぁ退斗」


マスターは椅子に座って呑気に新聞を読んでいる


昼間はあまり客が来ないため、マスターはお気楽だ




「おい、汚れ」



「はいはい、拭けばいいんだろ!?」



床をモップ掛けする井上を、大志は満足そうに眺めた






カランカラン




酒場の扉が開くと、黒いスーツを身に纏った男たちが入ってきた


その中でも、少し小柄な男が前に出て来る


「AAは、いるか？」



大志は椅子に座ったまま、体を男の方へ向けた


「オレっす」



男は大志を見ると、少し驚いた表情を見せた



「ほぉ、君が？
若いね、もっと年寄りでも出て来るかと思っていたよ」



「依頼っすね？
奥の部屋へどうぞ」



大志は男たちを部屋へ促した




井上も、仕事だ仕事だ、とワクワクして部屋に入ろうとした



「三流は掃除しとけ」



バタン…



「…」



あのガキ…ぜってー泣かせてやる…