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「報酬はいくらがいい？」


矢車は、大志が了解したとなると
今度は試すような口ぶりで言った


もちろん腹は立ったが
そこは一流All Arounderとしてグッと堪えた


「まず、その令嬢の命を狙う理由、教えてもらえますか？」



「…仕方ないか…。
簡単に言うなら、西浦財閥の社長が死んだので
その財産が娘の手に渡るのを止めるためだ」



「はぁ？」



おっと、思わず口を塞いだ

ついついいつもの口調で言ってしまった


一瞬周りに睨まれた気がしたが、「続けてくださいね」と流した


「…で、もし令嬢がいなくなれば…その財産３０億は西浦社長の愛人の息子に転がり込んでくる…というわけだ」




「愛人の息子…？」



「その愛人は、私の妻だよ」



「…」



つまり…？

やべぇ、頭回んねぇな…


とりあえずその令嬢がいなくなりゃ
結果的に財産はこの矢車ってオッサンが手にすることになるってか…



「なるほど…３０億ねぇ…よし」



大志はバンッと膝に手をついた



「報酬は１億、これでどうっすか？」




思わずペろりと、上唇を舐めた