All Arounder
第31章 Have A Gun
バンッ!!
ビスッ
退斗の撃った弾は、見事、的の真ん中を撃ち抜いた
「ほっほー!!
やるなぁ!!」
退斗は鉄治にバシバシと背中を叩かれた
そして、こう言われた
「その銃、お前さんにやるよ」
「え」
退斗は目を真ん丸にさせ、自分の手に乗った銃を見た
「…もらって、いいの?」
「ああ…ただし、護身用だ。
人に見せるなよ?
見つかったら銃刀法違反で捕まっちまうからな」
「よかったな、退斗」
「あ…ありがとう、鉄ジイ!!」
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「――――それが、退斗が銃を持つきっかけになった話だ」
「危なっかしいガキだったんだな」
大志は呆れ返ったようにため息をついた
マスターは懐からタバコを取り出し、ライターで火をつけた
「…吸うの、珍しいじゃねぇか」
「たまには…いいだろ」
フゥーと息を吐くと、酒場はたちまち煙臭くなった
「で…それから退斗は、肌身離さずその銃を持っていたよ。
七香ちゃんにも内緒でな」
「使ったことは?」
「…なかったよ。あの時までは…――――」