All Arounder
第35章 How Do You Do ?
中に入ると、外とは違って涼しかった
冷えるわけでもなく、程よい温度が眠気を誘う
敷き詰められた畳からは、独特のいい匂いがし
一緒に線香の香りも混ざっていた
「おーい!!
来たぞぉー!!」
井上が叫ぶと、遠くの方からギシ ギシと床を踏む音が聞こえてきた
『大志、住職さんってことは、ハゲかなぁ?』
「あれはハゲじゃねぇ、坊主だ」
『一緒一緒』
「世の中の坊主が泣くぞ?」
大志と姫がボソボソと話していると
近くまで来ていた足音がピタリと止まった
そして閉められていた障子がスッと開いた