All Arounder
第39章 Goddess Or Ghost
「そんであんたは何しに来たって?」
今度は葵が聞き返した
「巨大松茸を探しに…」
「ぶはっ!!」
葵は口を押さえて吹き出した
120%馬鹿にしてやがる…
「あんた、くくく、おもろいなぁ…」
「頼まれて来てんだよ、ちくしょー…
あ、お前、巨大松茸って聞いたことねーか?」
「ないな…でも松茸やったら結構とれんで」
それを聞いて、井上は嬉しそうにした
「マジかそれ!?」
「マジや…ってかあんた、どんだけ松茸好きやねん…くく」
「だから…俺が好きなわけじゃねーんだよ…ふぇっくしゅん!!!」
「やかましいくしゃみやなぁ、もうちょっと静かにしい」
血も涙もない台詞だ
「うっせーよ、こっちは体冷えきってん…へっくしゅい!!!」
「ほんまに世話焼けるやっちゃなー」
そう言いながら、葵は羽織っていた服を一枚脱いだ
そしてそれを、ゆっくりと井上の肩に掛けてやった
「…わりー…///」
「くす、あんた上の服どこに置いて来たんよ?」
「川の岸…」
「鈍臭っ」
一瞬体をかすめた葵の手は、とても温かく感じた