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「はあ？ないない、絶対ない」



葵はオーバーなくらい手を横に振った




「…だよな」




「何や、そんなん言うて、女を口説こうとかいう魂胆？」




隣に座る葵は、ニヤニヤとした顔をこっちに向けた



そんな生意気な表情を崩してやりたくなるのが、井上の性格だ




「なんだ口説いて欲しいのかよ？」




体を寄せ、葵の顎を持ち上げながら
ゆっくりと顔を近づける




「ちょっ…ちょちょちょっと待ちいよ!!///」



突然の井上の行動に、慌てふためく葵



井上は思わず吹き出してしまった




「なっ、何で笑うんやあ!!?///」




「だって今の照れた顔…可愛いじゃんよ」




「かっ、可愛いないわ!!!///」



葵はそっぽを向いた


栗色の長い髪が、ふわっと揺れる




井上はその髪を、片手ですいた



「…何や？///」



「これ、地毛？」




「そや」




「…」




ほんとに綺麗な色だった


束ねて、くくってみたい…





とか…うっわー俺、変態突入ー





…にしても


マジでこの女とは会った気がする…



記憶はねーな



こんな髪の女見たら、忘れねーもん




でもどっかで…