
All Arounder
第42章 Kiss Me
どれくらい時間が経っただろう
それはもうよくわからない程になっていた
キスを堪能し、ふと大志の右手が姫の服の裾を掴んだ
『あっ…///』
それに気づいたのか、姫は声を出してその手を止める
『あの…大志…///』
「…」
姫の言いたいことが何となくわかると、大志は手をどけ
代わりに姫の頬を撫でた
「…続きは…また"二人っきり"の時な」
その言葉に、姫の恥ずかしがっていた表情もほころぶ
『うん…///』
最後はもう一度だけ軽いキスを交わし
二人はカラオケボックスを出た
外へ出た時には、もう日が暮れかかっていた
夢のようなひと時に、まだ姫の頭はボーッとしている
「…姫」
歩きながら大志の方を向くと、大志は前を向いたまま言った
「恋人じゃなくても、ダチじゃなくてもいいからさ…ずっと、そばにいて…?」
『…』
「…姫?」
と、大志が姫を見た瞬間、姫は大志の腕にしがみついた
「!!…おい、何だよ…」
『大志も…ずっと一緒にいて…?///』
「…いる、ずっと///」
『あたしも、いる///』
