All Arounder
第44章 Is There No Love?
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「さて…んじゃー寝るとこだけど…」
井上が言いかけると、大志は姫の肩に手を置いた
「オレ、姫と」
『え!?///』
「だからあっちの部屋貸してくんね?」
あっちとは、普段姫が寝ている部屋だ
井上は何か言いたげだったが、仕方なく了承した
「よしゃ、お休み」
『おヤすミ…』
がちがちに緊張している姫の背中を押して、大志は部屋へと入っていった
「うちはどこ使ってええん?」
「ソファー使えよ。なかなか寝心地いいから」
井上は毛布を出して来ると、ソファーの上にそれを広げた
「ん…退斗は?」
「俺は床で充分だし」
もう一枚毛布を出し、それを床に敷く
「そ…ぉ」
前みたいに
誘ってくれへんのや…
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『うーん、今日はいろいろあった~』
姫はベッドに腰掛けると、うんと伸びをした
「だな。だるまには散々な目に遭わされたし…まぁでも…」
大志も姫の隣に腰を下ろす
「姫とまた…キスできたし」
そう言いながら、そっと姫の耳元へ口を近づける
『だ、だから今日が初めてなんだって!!///』
「はいはい」
大志は姫の体を抱き寄せると、チュッと軽いキスをした