一万回目のプロポーズ
第11章 妨げ
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「あーきーなー…こちょこちょこちょこちょこちょ!!」
『んなはははは!!待って待って待って待って待って!!』
あたしは、脇腹に刺さる俊司の手によって目が覚めた
俊司の腕を掴んで離し、『おはよう』と言う
「おはよ」
俊司も挨拶しながら、あたしをギュッと抱きしめた
「えーっと、382回目…明奈、結婚しよ///」
あたしは俊司の胸に顔を埋めた
にやけてしまった顔を、見られたくないから
『うん///』
「…お前ら…」
気がつくと、その様子を担任が見ていた
口をあんぐりと開け、ここまで情けない顔を見たのは初めてだ
「あ…///」
『いや、その…///』
担任はつかつかと近寄ってきて、あたしたちの前にしゃがんだ
その親指をグッと立て、一言
「おめでとう」
…いい先生だ