2人乗り
第3章 付き合ってんのに片思い
アキラからのメールだ
”直希、もう家に着いた?”
”まだだよ。ちょっと寄り道”
”どこに?”
”神社(笑)”
”そこ好きだね~(笑)
もう暗いから
早く帰らないとダメだよ?”
”心配してくれてんの?”
”うん”
”うれし”
”当たり前じゃん”
”なんで心配してくれんの?”
アキラから
なかなか、返信が来ない
”大切だから”
あっ
俺のハートをわしづかみ
このメール、永久保存だ
アキラに会いたい…
さっき別れたばかりなのに。
”好きだよ、アキラ”
”知ってる”
”(笑)そこは、
私も!とか
言うとこだぞ!”
”残念でした~(笑)
早く帰ってよ
気になるから…”
”うん、分かったよ。
もう帰る。”
”帰ったら、メールくれる?”
”アキラが、好きって
言ってくれたらメールする”
”バカ!”
”(笑)
帰ったらメールするな”
”うん、待ってる”
俺は、ひとりニヤついていた。
アキラ
彼女みたいじゃんか。
あ、彼女だけど。
なんだかうれしくて、
なんだか心地よくて、
俺はそこから
なかなか動き出せなかった。
心配するアキラに
帰ったとウソのメールを送り
俺はしばらく
石の上に座っていた
携帯の永久保存を
眺めながら