2人乗り
第3章 付き合ってんのに片思い
アキラの手を
握りたいだけ握らせて…
そんな俺のわがままのあと
アキラはしばらくして
口を開いた
「直希・・・私ね
直希と一緒に居たら
楽しいよ。
バイバイする時、
もっと一緒に居たくて、
帰りたくないって思うよ……
それって
好きってことなのかな……」
「俺には…
わかんないよ…。
友達と遊んでて、
楽しかったら
帰りたくないだろ?
俺はさ
頭の中アキラで
いっぱいなんだ
お前が喜ぶことなら
何でもしたいと思うし
お前を守りたいと思うんだ。
俺は……アキラが
好きなんだ。
すっごい我慢してるけど、
抱きしめたり
キスしたり……
したいんだ…
ごめんな。
でも大丈夫。
手を握らせてもらうだけで
いいんだ。
俺が本当に欲しいのは
アキラの気持ちだから。」
「直希……私……」
「いーんだよ、アキラ
ごめん、変な事言って。
気にしなくていーから…。
でも、もし…
もし俺のこと
好きって思った時は、
速攻教えてくれよな?
な?」
そう言って
俺はアキラの顔を見た。
アキラは
複雑な表情を浮かべながら、
コクッと、頷いた。
しばらく、2人は黙ったまま。
俺は
優しくアキラの手を握り続けた。
それから週末まで、
俺はバイトで忙しく、
アキラとは会えない日が続いた。