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女の「好き」は信用ならない【男子高時代の日記】①

 

 某Mから始まるハンバーガーショップに行ってきた。


 お昼時の店内はかなりの混み具合。人混み嫌いな俺が諦めて、別の店へ行こうとしたその時――


可愛らしい女店員「お客さま~♪」


 ――偶然レジが一つ空いた。その近くで突っ立ってた俺を、レジの向こうから店員……いやさ可愛らしい女店員が呼び止める。


俺「あ、はい」


 透き通った肌に、ピンク色の唇。はにかんだ笑顔はパンジーの花のよう!


俺「えーっと……」


 しかし帰ろうとしていた所を呼び止められたため中々、注文が決まらない。


 只でさえ女子が苦手で(女子を前にすると緊張してしまうため)男子校に入ったような俺。可愛らしい女はもっと苦手(もっと緊張してしまう)。


 混み行った飲食店で優柔不断な態度をとる客を、店員の彼女はどんな顔をして見ているのだろうか。ふと顔を上げて見る。すると――


女店員「~♪」


 ――そこには、嫌な顔ひとつせず0円スマイルを向ける彼女の姿があった! これぞマックの店員の鏡! ハンバーガー4000個分の輝き!


 これ以上この娘を待たせてはならない。俺は、0円スマイルもといハンバーガー4000個たのみたい衝動を抑え、目についたバーガーセットを速攻で読み上げる。


女店員「お品物できあがるまで、そちらでお持ちください♪」


 お会計を済ますとマック式ルールに従い、レジの脇で待機。しかし幸か不幸か、このレジに他の客が来ることはなかった。


 只でさえ苦手な女子の前で待機(電車で目の前に女子が座ってきた場合、目が合わないよう寝たフリをします)。さらに苦手な可愛らしい女子の前で待機(可愛らしい女子が座ってきた場合、次の駅で降ります)。凄く緊張する。


女店員「じー」


 しかも何かさっきから、こっち見てる……滅茶苦茶見てる……乙女デューサの視線に貫かれ、石になってしまう男子高生。


女店員「好き♪」


 見るな……見るな……こっちを見るな。これ以上見られたら俺の欲望が、(セ)石に――


 って……アレ? いまこの娘、なんつった……?


 「好き」っつった? え、誰を? 俺を? なんで? まじで?


俺「は?」


 突然の告白に戸惑いを隠せない俺。一番最初に頭に浮かんだその言葉を、そのまま声に出していた。




(※②に続く)

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